【採用の現場から】採用面接におけるその質問、実は不適切です!

年明けから年度末にかけて、企業の採用活動はピークを迎えます。

そして、採用活動の中で欠かせないのが「面接」です。

昨今は新型コロナウィルスの影響もあり、対面での面接のみならず、ウェブ面接・リモート面接も増えてきています。

 

「面接」は企業にとって、これからの成長を担う戦力を確保する重要な業務である一方、「就職」は応募者にとっては人生を左右しかねない重大な決定といえます。

我が国において、職業選択の自由は基本的人権の一つとしてすべての国民に保障しているのも、このような趣旨に基づくものです。

また、企業側にも、採用方針・採用基準など採用の自由が認められています。しかし、採用の自由は、応募者の基本的人権を侵してまで認められているわけではありません。

つまり、労働者の採用選考にあたっては、「人を人としてみること」「差別のない合理的な基準」が必要不可欠になります。

本人の適性と能力に基づいた公正な採用選考を行うためには、就職差別につながる行為・認識を企業側が正しく理解していくことが大切です。

 

公正な採用選考の基本

応募者に広く門戸を開くこと

 ごく限られた人にしか門戸が開かれていないようだと、「就職の機会均等」を実現することができません。

 そのため、求人条件に合致するすべての人が応募できるようにすることが大切です。

 

本人の持つ適性・能力に基づいた採用基準とすること

 例えば、本籍地や家族の職業など本人に責任のない事項や、宗教や支持政党などの本来自由であるべき事項は、本人が職務を遂行できるかどうかには関係ないこと、適性には関係ないことであり、採用基準にしないことが必要です。

 適性・能力に関係のない事項は、それを採用基準としないつもりでも、応募用紙に記載させたり面接時に尋ねたりすることは職業安定法により、原則認められません。

 

 

具体的に気をつけることは?

 

分かっているつもりでも…

令和2年度に、応募者から「本人の適性・能力以外の事項を把握された」とハローワークに指摘があったもののうち約半数が「家族に関すること」でした。

「お父さん(お母さん・旦那さん)の職業は?」「本籍は?」など、面接の場の空気を和らげるために聞いてしまうケースが多いようです。気を付けましょう。

また、「尊敬する人」に関する質問は、よくされる質問にもあげられがちですが、実はNG質問なので今後は減っていくことでしょう。

 

 

現在は、企業のCSR(企業の社会的責任)の取り組み内容が、ますます企業の社会的評価を左右するようになっています。

CSRには人権尊重や差別撤廃への取り組みも含まれると考えられます。

人権の取り組みをおろそかにすると社会的な批判を招き、顧客・従業員・株主などの信頼を失ってしまう恐れがあります。

そうならないために、一個人のレベルで人権意識を高めながら必要な取り組みを進めていきましょう。

 

<参考リンク>

公正な採用選考を目指して(厚生労働省HPより)

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