【法改正】令和4年4月、令和4年10月施行分「改正育児・介護休業法」の省令・指針が公布、告示されました。【法改正】令和4年4月、令和4年10月施行分
「改正育児・介護休業法」の省令・指針が公布、告示されました。

6月に改正された「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 (育児・介護休業法)」の、令和4年4月と10月施行分の省令・指針が公布、告示されました。

改正のポイント

令和4年4月1日施行(全企業対象)

  • 育児休業の申し出・取得を円滑にするための雇用環境の整備に関する措置の義務付け
  • 妊娠・出産(本人または配偶者)の申し出をした労働者に対して、事業主から個別の制度周知と休業の取得意向の確認のための措置の義務付け
  • 有期雇用労働者の育児休業と介護休業の取得要件の緩和

※雇用環境整備の選択的措置事項、個別周知しなければならない事項などが省令で定められました。

令和4年10月1日施行(全企業対象)

  • 男性の育児休業取得促進のため、産後パパ育休(出生時育児休業)の創設
  • 育児休業を分割して2回まで取得可能に

※産後パパ育休の申し出事項、産後パパ育休の申し出期限を1か月前にする場合に労使協定で定める事項、産後パパ育休中の就業の上限・手続き、1歳以降の再度の育 児休業が可能な事由などが省令で定められました。

令和5年4月1日施行(従業員1,000人超企業対象)

  • 常時雇用する労働者数が1,000人超の事業主に対し、育児休業の取得の状況について公表の義務付け

※詳細は、追って省令で定められる予定です。


▶育児・介護休業法 改正ポイントのご案内(厚生労働省リーフレット)

▶育児・介護休業法について(厚生労働省ホームページ)


改正に伴い、就業規則、育児介護休業規程等の見直しが必要となります。
詳しくはお気軽に当法人担当者へご相談ください。

【法改正】従業員500人以下の社会保険適用拡大まで1年を切りました!

令和2年の改正年金法により、令和4(2022)年10月から段階的に一部のパート・アルバイトの方の社会保険の加入が義務化されます。

法改正イメージ

(出典 厚生労働省「社会保険適用拡大特設サイト」)

①令和4(2022)年10月からの対象企業
 令和4(2022)10月から、従業員数101人~500人の企業で働くパート・アルバイトが新たに社会保険の適用になります。

②令和6(2024)年10月からの対象企業
 令和6(2024)年10月から、従業員数51人~100人の企業で働くパート・アルバイトが新たに社会保険の適用になります。

法改正に対応するには、新たな加入対象者の把握、社内周知、対象者への説明、書類の作成・届出が必要です。

101人~500人の企業への適用まで1年を切りました。
まずは自社の状況を把握することから、しっかり対策しておきましょう。
また、施行期日より前に適用拡大に取り組む(選択的適用拡大)と、助成金が受けられたり、補助金が優先的に受けられる場合があります。

「キャリアアップ助成金 選択的適用拡大導入時処遇改善コース」

  1. 社会保険労務士等の専門家を活用して従業員とコミュニケーションをとり、適用拡大を行った場合、19万円
  2. さらに、パート従業員の社会保険加入の際に基本給も増額した場合、1.9万円~13.2万円(増加幅に応じて従業員1人あたり)
  3. さらに、短時間労働者に関する人事評価の仕組み・研修制度を整備した場合、10万円を受給できます(全て中小企業に係る金額)。金額は一定の要件を満たせばさらに増える場合があります。

⇒詳しくは、厚生労働省 キャリアアップ助成金 

「中小企業生産性革命推進事業」

取組内容に応じて3種類の補助金が受け取れます。

  1. ものづくり補助金: 最大1,000万円
  2. 持続化補助金: 最大50万円
  3. IT導入補助金: 最大450万円

補助を受けるには審査を経て採択される必要がありますが、選択的適用拡大を行った企業は、応募要件が緩和されたり、審査の加点項目となるなど、優先的に支援が受けられます。

⇒詳しくは、独立行政法人中小企業基盤整備機構 中小企業生産性革命推進事業

関連リンク<社会保険適用拡大特設サイト>
その他法改正への対応、選択的適用拡大の手続きおよび助成金等についてはお気軽に当法人担当者または以下のお問い合わせフォームよりお問い合わせください。

【法改正】2022年1月1日開始「雇用保険マルチジョブホルダー制度」

雇用保険法等の一部を改正する法律(令和2年法律第14号)により、高年齢被保険者の特例に関する規定が令和4年1月1日から施行されます。

これにより、複数の事業主に雇用される65歳以上の労働者について、本人の申出に基づき、雇用保険の高年齢被保険者となることができる「雇用保険マルチジョブホルダー制度」がスタートします。

雇用保険マルチジョブホルダー制度の概要

現行の雇用保険制度は、主たる事業所での労働条件が週所定労働時間20時間以上かつ31日以上の雇用見込み等の適用要件を満たす場合に適用されます。
これに対し、雇用保険マルチジョブホルダー制度では、複数の事業所で勤務する65歳以上の労働者が、そのうち2つの事業所での勤務を合計して以下の適用対象者の要件を満たす場合に、本人からハローワークに申出を行うことで、申出を行った日から特例的に雇用保険の被保険者(マルチ高年齢被保険者)となることができる制度です。

マルチ高年齢被保険者であった方が失業した場合には、一定の要件を満たせば、高年齢求職者給付金(被保険者であった期間に応じて基本手当日額の30日分または50日分の一時金)を受給することができるようになります。

適用対象者

マルチ高年齢被保険者となるには、労働者が以下の要件をすべて満たすことが必要です。適用には本人の申出が必要です。加入後の取扱いは通常の雇用保険の被保険者と同様で、任意脱退はできません。

  1. 複数の事業所に雇用される65歳以上の労働者であること
  2. 2つの事業所(1つの事業所における1週間の所定労働時間が5時間以上20時間未満)の労働時間を合計して1週間の所定労働時間が20時間以上であること
  3. 2つの事業所のそれぞれの雇用見込みが31日以上であること


手続の流れ

通常、雇用保険資格の取得・喪失手続は、事業主が行いますが、雇用保険マルチジョブホルダー制度は、マルチ高年齢被保険者としての適用を希望する本人が手続を行う必要があります。
事業主は、本人からの依頼に基づき、手続に必要な証明(雇用の事実や所定労働時間など)を行います。これを受けて、本人が、適用を受ける2社の必要書類を揃えてハローワークに申し出ます。


注意点

  • 労働者から手続に必要な証明を求められた場合は、速やかに対応しましょう。事業主の協力が得られない場合、ハローワークから事業主に対して確認が行われます。
  • マルチジョブホルダーが申出を行ったことを理由として、解雇や雇止め、労働条件の不利益変更など、不利益な取扱いを行うことは法律上禁じられています。
  • マルチジョブホルダーがマルチ高年齢被保険者の資格を取得した日から雇用保険料の納付義務が発生します。

 

【関連リンク】
<厚生労働省ホームページ>雇用保険マルチジョブホルダー制度について
Q&A~雇用保険マルチジョブホルダー制度~

その他、雇用保険の加入要件や手続きについてはお気軽に当法人担当者または以下のお問い合わせフォームよりお問い合わせください。

【法改正】正規雇用労働者の「中途採用比率の公表」義務化

令和3年4月1日から、常時雇用する労働者数が301人以上の企業において、正規雇用労働者の中途採用比率の公表が義務化されました。

労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和41年法律第132号)及び
労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律施行規則(昭和41年労働省令第23号)

始まったばかりの制度で対応に戸惑う企業もあるようです。あらためてポイントを確認しておきましょう。

 

趣旨・目的

労働者の主体的なキャリア形成による職業生活のさらなる充実や再チャレンジが可能となるよう、中途採用に関する環境整備を推進することを目的とする、とされています。

大企業には新卒一括採用という日本型の採用制度を採用しているケースが多いため、中途採用の比率が少ない実態があります。大企業が中途採用比率を公表すれば、それに続き他の企業も中途採用の比率を意識するようになり、そのことで中途採用や経験者採用の拡大が期待されます。これにより、育児・介護、治療中の人たちや就職氷河期世代等、新卒以外の多様な人材の雇用確保に繋げるというのが国の狙いです。

概要

常時雇用する労働者※1が301人以上の企業は、求職者が容易に閲覧できるかたちで「直近の3事業年度※2の各年度について、採用した正規雇用労働者の中途採用※3比率」を公表することが必要となります。公表は、おおむね年に1回、公表した日を明らかにして、インターネットの利用やその他の方法で行います。

※1 「常時雇用する労働者」とは、雇用契約の形態を問わず①期間の定めなく雇用されている者、②過去1年以上の期間について引き続き雇用されている者又は雇入れの時から1年以上引き続き雇用されると見込まれる者、のいずれかを満たす労働者を指します。
※2 「直近の3事業年度」とは、事業年度における正規雇用労働者の採用活動が終了し、正規雇用による中途採用者の状況を「見える化」することができる状態となった最新の事業年度を含めた3事業年度を指します。
※3 「中途採用」とは「新規学卒等採用者以外」の雇入れを指します。

公表の時期

初回の公表については、法施行(令和3年4月1日)後の最初の事業年度内に、2度目以降は、前回の公表からおおむね1年以内に、可能な限り速やかに行います。

罰則

中途採用比率公表の義務化は、現状では対象企業の努力義務とされています。そのため、未対応でも罰則の規定はありません。ただし今後、違反した企業に対して何らかの罰則規定が定められる可能性もありますので、法律を順守した対応を行いましょう。

公表義務化のメリット・デメリット

企業

メリット

  • 求職者に中途採用に対する積極性をアピールできる
  • 求職者の応募を集めやすくなる
  • 求職者とのマッチング精度が高くなる                    など

デメリット

  • 比率公表に対する効果が未知数であり、コストをかけづらい
  • 中途採用比率の数値が低い場合、伝統的な年功序列の社風と見なされる可能性がある

 

求職者

メリット

  • 転職時に企業体質を比較しやすくなる
  • 転職時に可能性・チャンスを見極めるのに役立つ
  • 今後のキャリアを考える上で役立つ                         など

デメリット

  • 転職市場が活性化されると、スキルやアピールポイントがある人ほど有利な状況になる


まとめ

中途採用比率の公表義務化の対象企業は、年1回の公表を行うことが必要です。現状では違反に対する罰則はありませんが、今後新たに規定される可能性を考えると、今から適切な管理と実施をしておくことが求められるでしょう。中途採用比率の公表には、単に数値を公表するだけでなく、中途採用市場を活性化させ、人々の働き方の柔軟性を上げていく狙いもあります。
また、中途採用者の雇用管理制度を整備し、中途採用の拡大を図る事業主には、助成金が受けられる場合があります。
人口の減少も進み、中途採用市場が活性化する近い将来を見据え、300人以下の企業も、自社の採用戦略等を検討してみてはいかがでしょうか。

人材の採用・定着、助成金に関するご相談はお気軽に当法人担当者または以下のお問い合わせフォームよりお寄せください。

 

<関連リンク>
中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)
リーフレット:正規雇用労働者の中途採用比率の公表の概要
正規雇用労働者の中途採用比率の公表Q&A

【法改正】協会けんぽから直接従業員への健康保険証の交付が可能になります!(2021年10月1日施行)【法改正】協会けんぽから直接従業員への
健康保険証の交付が可能になります!(2021年10月1日施行)

社会保険の資格を取得すると、協会けんぽ等から従業員の健康保険証と扶養家族の健康保険証が事業所に届きます。事業所はこれを従業員に渡すことになりますが、テレワークが進むなかで、社会保険手続き担当者が健康保険証を従業員に渡すためだけに出社するといった事態が発生していました。

このような状況の中で、本年8月に健康保険法施行規則が改正され、健康保険証の交付について「保険者が支障がないと認めるときは、これを被保険者に送付することができる。」という文言が追加されました。

<厚生労働省保険局長発 事務連絡>
健康保険法施行規則及び船員保険法施行規則の一部を改正する省令の施行について

これにより、「保険者⇒事業主⇒従業員」という交付方法に加え、「保険者⇒従業員」という方法も選択肢に加えることができるようになりました。
施行は令和3年10月1日とされていますが、実際の流れについてはこれからのようです。

厚生労働省から「被保険者証等の直接交付に関するQ&A」が公開されています。
※退職などで資格喪失した際、従業員から直接保険者(協会けんぽ等)に健康保険証を返すことができるかというと、こちらは「できない」とされています。

手続きや処理の流れなど、詳細が発表されましたら、またお知らせしたいと思います。
その他、社会保険(健康保険・厚生年金)手続きについてはお気軽に当法人担当者へご相談ください。

【法改正】脳・心臓疾患の労災認定基準を改正

厚生労働省は、過労死を巡る労災認定の判断基準となる脳・心臓疾患の労災認定基準を改正し、「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準」として、9月14日付で都道府県労働局長宛てに通知しました。

約20年ぶりとなる今回の改正では、働き方の多様化や職場環境の変化が生じていることから、専門検討会が7月16日に取りまとめた報告書に基づいて、以下のような見直しがなされています。
特に、いわゆる過労死ラインといわれる「発症前1カ月間に100時間または2~6カ月間平均で月80時間を超える時間外労働」の基準は維持する一方、これに達しない場合も労働時間以外の負荷要因を含め総合評価することを明らかにした点などがポイントとなっています。

【認定基準改正のポイント】
  • 長期間の過重業務の評価に当たり、労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定することを明確化
  • 長期間の過重業務、短期間の過重業務の労働時間以外の負荷要因を見直し
  • 短期間の過重業務、異常な出来事の業務と発症との関連性が強いと判断できる場合を明確化
  • 対象疾病に「重篤な心不全」を追加

<関連リンク>
厚生労働省 令和3年9月14日(火)報道発表

【法改正】育児休業給付 みなし被保険者期間の計算方法の特例(令和3年9月1日施行 雇用保険法施行規則一部改正)【法改正】育児休業給付 みなし被保険者期間の計算方法の特例
(令和3年9月1日施行 雇用保険法施行規則一部改正)

~育児休業給付に係る被保険者期間要件の運用の合理化について~

令和3年育児介護休業法及び雇用保険法の改正に伴う、雇用保険法施行規則の改正に伴い、
令和3年9月1日以降開始する育児休業について、育児休業給付におけるみなし被保険者期間の計算方法の特例が
適用されます。
これにより、以前の制度では子の出生日によっては不合理に要件非該当となるケースが発生していた育児休業給付の支給要件((育児休業開始前2年間12か月以上の被保険者期間※が必要)※1か月に11日以上の賃金払基礎日数が必要 )に特例が設けられ、出生のタイミングによる育児休業給付が受けられない事態は救済されることとなります。

▶詳細はこちら

また、育児休業等、家庭と仕事の両立を積極的に支援する事業主は助成金が受けられることもあります。
その他、育児休業制度の詳細、育児休業給付の申請手続きについては、当法人担当者にお気軽にご相談ください。


<関連リンク>

厚生労働省ホームページへ

【法改正】最低賃金が改定されます。

令和3年10月より適用される地域別の最低賃金について、
各都道府県の最低賃金およびび発効年月日が出揃いました。
これにより28円~32円の引上げとなり、全国平均で930円となりました。

引き上げ額が大きいので、時給だけでなく、日給制、月給制の場合も注意が必要です。
公表された金額に基づいて、事業所の最低賃金について確認しましょう。
詳しい内容の確認やご相談は、当法人担当者へお寄せください。

<関連リンク>

厚生労働省ホームページへ

最低賃金に関する特設サイトへ

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フクシマ社会保険労務士法人は、長年の経験と裏打ちされた実績、数多い労務士による多面的なアプローチで、お客様をトータルサポートいたします。
ぜひ一度ご相談ください。