【40年ぶりの大転換期へ】労働基準法の改正に備えて
投稿日:2026.03.03
約40年ぶりとなる労働基準法の大改正は、
2025年に労働政策審議会での議論を経て、2026年の通常国会で法案提出、
2027年の施行が見込まれていました。
しかし、2026年1月法案の国会提出が見送られたことにより、施行の時期は現状不透明となっています。
ただ!この見送りによって改正が白紙になったわけではございません。
「リモートワーク」「副業・兼業」「グローバルな働き方」「健康経営」など、
働く環境が目まぐるしく変わっている今、来るべき大改正に備えておきましょう!
なぜ労働基準法の改正が必要なのか?
これは、「これまでの制度では現代の働き方に対応できなくなってきたから」です。
先に述べたように、リモートワークや副業兼業、健康経営など、
働き方が多様になってきた現状に、法律が対応できなくなってきます。
「大改正」の主なポイント
では、2027年施行に向けて検討が進められていた改正内容とは、どんなものでしょうか。
主に以下の5点について解説します。
◆勤務間インターバル制度の義務化
勤務間インターバル制度とは、「前の日の終業時間から翌日の始業時間を○時間以上空ける」というものです。
改正案では11時間のインターバルを設けることとされていました。
前日の勤務が22時までの場合、仮に始業時間が8時の企業でも、翌日は9時以降からしか働くことができません。
◆連続勤務の上限規制
現行法では、毎週少なくとも1回または4週を通じ4日以上与えなければいけないとされています。
しかし、これでは極端な場合24連勤も可能となっています。
改正案では14日以上の連勤を禁止すること、併せて法定休日の特定義務化が検討されていました。
◆副業・兼業者の労働時間通算見直し
複雑な「副業・兼業者の割増賃金算定のルール」の簡素化が検討されていました。
企業側は管理負担の軽減になりますが、労働者側からの正確な申告ができる仕組みづくりが必要です。
◆有給休暇時の賃金算定の原則化
現行法では「平均賃金方式」「通常賃金方式」「標準報酬日額方式」のいずれかを選択できるとしています。
しかし、日給や時給で働く人にとって不利益となるケースもあることから、
原則「通常賃金方式」に固定することが検討されていました。
◆「つながらない権利」の指針・ガイドラインの策定
終業後や休日でも、会社や上司からの電話・メール・SNSツールでの連絡などを負担に感じるケースが増えています。
デジタルツールの発達により業務とプライベートの境界が曖昧になり、ライフワークバランスが崩れる恐れがあります。
改正案では「つながらない権利」とし、終業後や休日などの勤務時間外に、仕事関連のメール・電話・SNSツールへの対応を
拒否できるとすることが検討されていました。
その他にも「時間単位有休日数の拡大」や「週44時間の特例措置廃止」なども検討されていました。
40年ぶりの大改正がもたらす影響
今回法案の提出が見送られた法改正ですが、
今後も引き続き検討が進み大改正となることが考えられます。
また、検討された改正案は単にルールの変更ではなく、企業の制度や仕組みそのものを
根本的に見直すことが必要な内容ばかりです。
考えられる影響をまとめました。
- 就業規則・雇用契約内容の見直し
- 勤怠管理・給与計算システムの改修
- 人件費の増加
- 従業員理解・説明責任
- 労務管理体制の整備
- 採用定着・ブランディング
フクシマ社会保険労務士法人では、労務管理から制度設計まで幅広いご支援が可能です。
法改正が行われたときに場当たり的な対応にならないために、
法改正を念頭に置いた社内制度の見直しを進めてみてはいかがでしょうか。


