【10月1日は「コーヒーの日」】コーヒーブレイクから休憩について考える

10月はコーヒーが美味しくなる季節です。
国際協定によって、コーヒーの新年度が始まるのが10月で、この日がコーヒーの年度始めとなります。日本では、秋冬期にコーヒーの需要が高くなることから、1983年に、全日本コーヒー協会によって、10月1日が「コーヒーの日」と定められました。

また、2014年3月開催の国際コーヒー機関(ICO)理事会において、2015年から10月1日を「 International Coffee Day 」に定めることとされ、イタリア国ミラノで開催されたICO第115回理事会(2015年9月28日~10月2日)の期間に合わせ、ミラノ万博会場からスタートしました。

さてみなさん、一人当たりのコーヒー消費量が世界一と言われる国はどこかご存じでしょうか。
近年、SDGs、幸福度ランキング、サウナやおしゃれなインテリア雑貨のブランドなどで注目が高まっている、北欧の国フィンランドだそうです。(諸説あります)
フィンランドでコーヒーを習慣的に飲む人の平均的な消費量は1日に約3杯。5~9杯飲む人も結構いるんだそうです。

そのフィンランドの働き方で有名なのが、コーヒー休憩の制度です。
フィンランドでは、食事の休憩の他にコーヒー休憩を必ず設けるように法律で定められています。
6時間以上勤務の場合、労働条件として15分のコーヒー休憩を1日に2回(4時間以下ならコーヒー休憩はなし。4~6時間の労働ならコーヒー休憩1回)以上とされています。

さすがはコーヒー大国の法律と驚かれるかもしれませんが、こういったコーヒー休憩に限らず、毎日休憩なしで高いパフォーマンスを発揮し続けられる人はいません。
日本でも、労働基準法には休憩時間について規定があり、第34条において、労働時間が6時間を超え、8時間以下の場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は、少なくとも1時間の休憩を与えなければならない、と定められています。

過重労働の規制の強化や、労働生産性の向上が叫ばれて久しい昨今です。
勤務に必要な休憩時間を与えていなかった場合や、休憩時間とされているにもかかわらず、合間に書類作成をするなど労働から解放させていなかった場合には、労基署が休憩時間の違反を指摘する可能性もあります。
従業員のやる気や気力・体力を維持しつつ、トラブルを予防できるよう、休憩の与え方についても確認しておきましょう。

休憩の定義(原則)

1.休憩時間は、「労働時間の途中に与えなければならない」(労基法第34条第1項)
2.休憩時間は、「一斉に与えなければならない。」(労基法第34条第2項本文)
3.使用者は休憩時間を、「自由に利用させなければならない。」(労基法第34条第3項)


1.休憩時間は、「労働時間の途中に与えなければならない」(労基法第34条第1項)

休憩時間とは、あくまでも働いている間に休める時間のことなので、「出社前に1時間の休憩時間を取る」という就業規則を作ったとしても、朝8時から1時間の休憩を設け、9時から17時まで休憩なしで働かせるといったことはできません。同様に、「終業時間後に休憩をさせる」といった対応もできません。
なお、必ず正午から休憩時間を与えなければならないというように休憩を与える時間帯は決まっていません。また、休憩時間は、まとめて与えることも、分けて与えることもできます。

2.休憩時間は、「一斉に与えなければならない。」(労基法第34条第2項本文)

休憩時間を一斉に付与する範囲は、作業場単位ではなく、事業場単位です。
事業場とは、「工場、鉱山、事務所、店舗等の如く、一定の場所において相関連する組織のもとに業として継続的に行われる作業の一体」をいいます(昭和22年9月13日基発17号)。そのため、例えば、工場がこれに該当することがあります。他方、作業場は、事業場の中にあるそれぞれの場所です。

<例外>
①労使協定を締結した場合(労基法第34条第2項ただし書、労基則第15条)
 労使協定がある場合には、休憩を一斉に付与する必要はなく、交互に付与することができます。
②特定の業種(労基法第40条、労基則第31条)
 運輸交通業、金融・広告業、映画・演劇業、郵便・電気通信業、保健衛生業、接客娯楽業、官公署の事業では、休憩時間を一斉に付与する必要はなく、交替休憩をすることができるとされています。

3.使用者は休憩時間を、「自由に利用させなければならない。」(労基法第34条第3項)

たとえば、休憩中でも来客に対応する必要があったり、電話などに備えてオフィス内で食事を取ることを指示していたりする場合は、休憩ではなく労働時間という扱いになります。上司や管理者が「オフィスにいるように」「誰か1人は残っていてほしい」といった明確な指示をしていなくても、暗黙の了解で労働させていれば休憩時間にはなりません。
ただし、「休憩時間の利用について事業場の規律保持上必要な制限を加えることは、休憩の目的を害わない限り差し支えない」とされ(昭和22年9月13日基発第17号)、休憩時間中の外出許可制について、事業場内において自由に休息し得る場合には必ずしも違法にはならないとしています(昭和23年10月30日基発第1575号)。

休憩時間等の労働時間管理は会社にとって必要不可欠なものです。
万が一、休憩時間中の拘束に対して従業員から給与支払いの訴えを起こされた場合、高額未払い給与の支払いからは逃れられません。休憩の扱い方を間違って運用している場合は、早めに是正に取り組みましょう。
また、フィンランド並みとはいかなくても、効果的な休憩やリフレッシュタイムを設けることは、労働者の健康維持や職場のコミュニケーションの活性化に役立つと言われています。法を上回る働きやすさを目指すことは、優秀な人材確保にもつながります。独自の制度を検討されても良いかもしれません。

労働時間についてお悩みの方は、当法人担当者または以下のお問い合わせフォームよりお問い合わせください。

 

<参考>厚生労働省ホームページ 労働基準法に関するQ&A  労働時間・休憩・休日関係

【監督指導による賃金不払残業の是正結果公表】適切な労働時間管理できていますか。【監督指導による賃金不払残業の是正結果公表】
適切な労働時間管理できていますか。

監督指導による賃金不払残業の是正結果(令和2年度)が公表されました。

9月22日、厚生労働省は、労働基準監督署が監督指導を行った結果、令和2年度(令和2年4月から令和3年3月まで)に、不払だった割増賃金が支払われたもののうち、支払額が1企業で合計100万円以上となった事案を公表しました。

<厚生労働省ホームページ>

【令和2年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果のポイント】

  1.  是正企業数 1,062企業(前年度比549企業の減) うち、1,000万円以上の割増賃金を支払ったのは、112企業(前年度比49企業の減)

  2. 対象労働者数 6万5,395人(同1万3,322人の減)

  3. 支払われた割増賃金合計額 69億8,614万円(同28億5,454万円の減)

  4. 支払われた割増賃金の平均額は、1企業当たり658万円、労働者1人当たり11万円

賃金不払残業とは、所定労働時間外に労働時間の一部又は全部に対して所定の賃金又は割増賃金を支払うことなく労働を行わせることをいい、労働基準法違反となります。法定時間外労働に対する割増賃金の支払は労働基準法第37条でにより定められています。

また、2020年4月の民法改正を受け、残業代請求権の消滅時効が2年から3年に延長されました。 (施行日の2020年4月1日に支払われる賃金から適用され、実際に2年を超えてさかのぼって請求できるのは2022年4月からとなります。)
これにより、来年4月からは未払い残業代を労働者がまとめて請求する場合には、今まで以上の残業代を請求できるようになります。

適切な労働時間管理はできていますか?

このような事態を避けるためには、当然のことながら、毎月適切に賃金を支払うことが肝要です。賃金の支払いの根拠となる、賃金規程・雇用契約書の整備はもちろん、労働時間の管理は使用者、人事・労務担当者にとってますます重要になっています。
労働時間の把握は、2019年労働安全衛生法の改正により、明確に使用者の義務と位置付けられています。

<参考>労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(平成29年1月20日策定)
ガイドラインによると、労働時間の把握には、客観的な方法を用いることが推奨されており、自己申告制についても正しく記録できるよう措置を講じることが求められています。
労働時間管理には、一般的に「タイムカード」「Excelによるテンプレート」「勤怠管理システム」などが利用されていますが、帳簿の保存や、自己申告の勤怠管理、始業・終業時間以外の労働時間の管理を一括で行うには、Excelやタイムカードでは難しく、ましてや使用者が労働者全員の始業・終業を毎日自身で確認することも、中規模以上の事業所では難しいでしょう。
そこで、ガイドラインが求める労働時間管理をすべて満たすために、勤怠管理システムの利用をお勧めします。勤怠管理システムを使えば、担当者の業務負担やコストを削減することが可能です。
最近では、必要に応じて様々な勤務形態に対応できる、勤怠管理システムを導入する企業が増えており、フクシマ社労士法人でも、複数の勤怠システムから、お客様の事業所の事情に合わせた勤怠システムをご提案しています。

残業時間、未払い残業代をめぐるトラブルは、どの事業所でも起きる可能性があります。とくに働き方改革が広まったことで、今まで注目されていなかった法令についても、遵守することが厳しく求められています。
法令に則った適切な労働時間管理を行い、トラブルを未然に防ぎましょう。
労務トラブル、労働時間の管理、給与計算等についてはお気軽に当法人担当者または以下のお問い合わせフォームよりお問い合わせ下さい。

【相談の現場から】台風、自然災害にまつわる労務管理上の対応

今年も台風シーズンが到来しました。
近年、全国各地で「観測史上初」の豪雨、地震や台風による被害が毎年のように発生しており、自然災害による事業活動への影響の対策の必要性を改めて感じられている企業の方も多いのではないでしょうか。
もちろん問題は労務管理にも及びます。

台風接近時等の出勤命令と安全配慮義務

台風や地震などの災害発生時に出勤命令を出すか自宅待機や休業とするかは判断が分かれるところです。しかし、無理な出勤を指示することによって安全配慮義務違反を問われる恐れもあります。

事業主は、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう配慮する義務があります。(労働契約法第5条
<安全配慮義務を判断する3条件>
  • 予見可能性
  • 結果回避義務
  • 因果関係
この3つの観点から安全配慮義務違反を判断します。

事業主がこの義務を怠り、労働者に損害を生じさせたときは、その損害を賠償しなければならないこととされています。さらに、この損害賠償は、労災認定による補償と並行して請求されることがあります。
大型の台風接近時に出勤を命じる際には、安全配慮義務の観点から「安全に出勤できるか」ということも考える必要があるでしょう。

事業活動の一時休止と賃金の保障

河川の氾濫や浸水などが起きると、操業停止や営業中止などにより、被災企業のみならず、関連する企業の事業活動にも多大な影響が及びます。
また、台風や地震などに被災した企業は、事業の休止や廃止を余儀なくされ、従業員への対応で検討しなければならないこともあります。

労働基準法では「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない」(第26条)と定めています(休業手当の支払義務)。
しかし、台風や地震といった自然災害は不可抗力であり、「使用者の責に帰すべき事由」には該当しません。 したがって、自然災害により事業場の施設・設備が直接的な被害を受け、その結果、労働者を休業させる場合は、原則として、休業手当の支払義務はないことになります。

※未払賃金立替払制度

労災保険に加入している企業で、被災したことにより、事業活動を停止し、再開の見込みがなく、労働者への賃金や退職金の支払いが不能となるなど事実上倒産に至った場合には、国が事業主に代わって未払賃金の一部を立替払いする「未払賃金立替払制度」を利用することができます。最寄りの労働基準監督署に相談してみましょう。

※非常時払い

被災して一定期間休業する場合であっても、そこで働く被災労働者の生活にも配慮しなければなりません。労働基準法では、労働者が出産、疾病、災害等の非常の場合の費用に充てるために請求した場合は、使用者は、賃金支払期日前であっても既に行われた労働に対しては賃金を支払わなければならない、と定めています(第25条)。この規定は自然災害発生時にも適用され、休業手当の支払いの必要があるか否かを問わず、労働者から請求があれば、被災前の既往労働分に対する賃金の支払義務が生じます。

遅刻・早退、欠勤と年次有給休暇

被災は避けられても、自然災害による公共交通機関の乱れにより、労働者が欠勤せざる得なかったり、遅刻・早退したりする場合があります。このような場合の賃金の取り扱いは、会社の定める就業規則によります。
原則として、早退などを命じた場合以外の時間については、ノーワーク・ノーペイの原則に基づき時間相当分を控除することは違法ではありません。しかし、こうした場合の遅刻の賃金控除は酷では、ということもありますので、遅刻扱いとはせず、賃金控除しないとする会社も多いでしょう。
なお、前述のような事情による欠勤について、年次有給休暇の取得を一方的に命じることはできません。年次有給休暇は、原則として、労働者の請求を前提として付与するものです。年次有給休暇の取得とする場合には労働者と話し合わなければなりません。

復興のための時間外労働・休日労働

原則、労働者に時間外労働や休日労働をさせる場合、会社は「時間外及び休日労働に関する協定」(36協定)を締結し、所轄労働基準監督署に届け出なければなりません。しかし、災害その他避けることができない事由により時間外・休日労働をさせる必要がある場合は、36協定によるほか、協定がない場合であっても所轄労働基準監督署の事前の許可(事態が急迫している場合は事後の届出)により、必要な範囲内に限り時間外・休日労働をさせることができます(第33条)。 
したがって、36協定を締結していない場合であっても、被災した工場や店舗などの早期復旧のために労働者に臨時的な時間外労働や休日労働をしてもらう場合、または被災地域外の他の企業が被災地企業の協力要請に基づく支援に伴い時間外労働や休日労働を行う場合には、労働基準監督署に事前の許可または事後の届出をしておくことが必要です。


台風や長雨の起こりやすい時期、何事もないことを願うばかりですが、
労務管理上は、そのような事態も想定して、事前に対応策を検討しておくことが重要です。
この機会に、自社の就業規則や安全管理体制を確認しておきましょう。
その他、就業規則の見直しや、労務管理についてのご相談も随時承っております。
当法人担当者までお気軽にお寄せください。

【相談の現場から】ご存じですか?職場の「ワクハラ」

放置するとパワハラ問題に!接種しない人への強制や差別は許されません。

『ワクハラ』とは、「ワクチンハラスメント」の略語です。

新型コロナウイルスのワクチン接種が徐々に進む中、一方で持病やワクチンへの不安などから「様子を見たい」「接種したくない」という人もいます。接種の判断は個人に委ねられていますが、一部で接種しない人たちを否定するような事態も起きています。

いわゆる「ワクチンハラスメント(ワクハラ)」は、ワクチンを接種しない人が、職場内で「なぜワクチンを接種しないのか」や「ワクチン接種をしないならば出勤させない」、「別室で隔離をして業務をさせる」等、ワクチン接種を強要されたり不当な扱いを受けたりする事をいいます。法律上の定義などが存在しない造語ですが、このワクハラが、パワハラにつながる危険性があります。

ワクチン接種は強制ではありません。それにもかかわらず、受けていない人に、職場で不利益が生じているケースがみられます。会社はどう対応すべきなのでしょうか。

 

厚生労働省のホームページには、次のように記載されています。

「職場や周りの方などに接種を強制したり、接種を受けていない人に差別的な扱いをしたりすることのないようお願いしています。
仮に会社等で接種を求められても、ご本人が望まない場合には、接種しないことを選択することができます。」

<厚生労働省ホームページ 関連リンク>
○新型コロナワクチンの接種を望まない場合、受けなくてもよいですか。
○今回のワクチン接種の「努力義務」とは何ですか。


例えば、ワクチンを接種していない社員Aさんについて、
他の社員から「Aさんがコロナになったら仕事に支障が出る」「Aさんがお客さんにコロナをうつしたらどうするのか」といった声が寄せられ、「ワクチンを打つか、退職するか」と退職勧奨にまで発展するという会社が誤った対応をとる可能性もあります。(実際、兵庫労働局において、従業員がワクチン接種を断ったところ、勤務先から自己都合退職届の書類にサインするよう迫られたという事案も報道されています。)
フクシマ事務所でも、社員間でワクチン接種やPCR検査等の受検について意見の相違がありトラブルになりかねないというご相談が増えています。

<厚生労働省ホームページ 関連リンク>
〇新型コロナウイルスワクチン接種が、地域・職域で進んでいます。一方でワクチン接種を受けていない人に対する偏見・差別事例があるとも聞きます。 私たちは、どういった点に注意して行動すべきなのでしょうか?

 

ワクハラが横行してしまう理由には、「ワクチンを打ったからもう大丈夫」という誤った認識を持っている人が少なからず存在しているということも挙げられるでしょう。
ワクチンを打つことで発症や重症化を予防する効果は期待できるといわれていますが、ワクチン接種が完了した後、その効果で発症はしなくても、ウイルスを持っていて、他人に感染させてしまう可能性は否定できません。

しかし、場合によっては転勤が可能なケースも考えられます。
例えば、きわめて重要度の高い業務に従事しており、長期離脱がどうしても許されないような場合であれば、当該業務に従事するにはワクチン接種が条件ということもありえます。そこで、ワクチンを拒否した場合には配置転換も正当であると判断される可能性がありますし、状況に応じて転勤が伴う異動もありえます。「配置転換=労働条件の低下」が当たり前に認められるものではないので注意が必要です。

繰り返しになりますが、新型コロナワクチンの接種は強制ではなく、接種を受ける方の同意がある場合に限り接種が行われます。
職場や周りの方などに接種を強制したり、接種を受けていないことを理由に、職場において解雇、退職勧奨、いじめなどの差別的な扱いをすることは許されません。
接種には本人の同意が必要であることや、医学的な事由により接種を受けられない人もいることを念頭に置いて対応しましょう。

また、過去に新型コロナウイルスに感染したことを理由として、人格を否定するような言動を行うこと、一人の労働者に対して同僚が集団で無視をし職場で孤立させること等も、職場におけるパワーハラスメントに該当する場合があります。

職場におけるパワーハラスメントに関しては、改正労働施策総合推進法により、その防止のために事業主において雇用管理上の措置を講じることが求められています。(中小事業主は令和4年4月1日から義務化)
職場でのハラスメントやトラブルを予防することは、事業主の責務であり、近年その社会的要請は高まり続けています。
パワーハラスメント問題に対する関心と理解を深め、労働者に対する言動には十分注意を払うよう心がけましょう。

職場トラブルやハラスメント問題、それらの防止策等はお気軽に当法人担当者へご相談ください。

<リーフレット「2020年6月1日より、職場におけるハラスメント防止対策が強化されました!」>  

【相談の現場から】男性労働者の育児休業について【相談の現場から】
男性労働者の育児休業について

令和3年6月に育児・介護休業法が改正され、令和4年4月1日から段階的に施行されることとなりました。
労働者の意識の変化、政府の広報活動やメディアでの報道などの影響か、
昨今、男性の育児休業についてのご質問、ご相談が増えているように感じられます。
今回は、寄せられたご質問を受け、育児休業制度や給付の概要などをご紹介します。

現行の育児・介護休業法に定められた育児休業制度

子が1歳(一定の場合は、最長で2歳)に達するまで 原則として1子につき、1回限り(双子以上の場合も1子とみなす)

 ◎パパ・ママ育休プラス

父母ともに育児休業を取得する場合は、子が1歳2か月に達するまでの間の1年間申出により育児休業の取得が可能

 ◎パパ休暇

産後8週間以内の期間に育児休業を取得した場合は、特別な事情がなくても申出により再度の育児休業取得が可能

【POINT】
   ・育児休業はパパもママも取得できる制度です
    性別にかかわらず、育児休業は「育児・介護休業法」に基づく労働者の権利ですので、
    申出があった場合は、法律に定められたとおりに認めなければなりません。
   ・ママの出産後8週間以内の期間内に、パパが育児休業を取得した場合には、
    休業から復帰後、再度、育児休業を取得できます。
   ・両親がともに育児休業を取得する場合、原則子が1歳までの休業可能期間が、
    子が1歳2か月に達するまで(2か月分はパパ(ママ)のプラス分)に延長されます。

 

パパ・ママ育休プラス、パパ休暇リーフレット(厚生労働省)

 

育児休業給付金について

 育児休業給付は、雇用保険被保険者が1歳又は1歳2か月(支給対象期間の延長に該当する場合は1歳6か月又は2歳)未満の子を養育するために育児休業を取得した場合に、休業開始前の2年間に賃金支払基礎日数11日以上ある完全月又は育児休業 開始日が令和2年8月1日以降であって、育児休業開始日以前の2年間に賃金支払基礎日数の11日以上の完全月が12か月に満たない場合は、賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上である完全月が12か月以上あれば、受給資格の確認を受けることができます。
 その上で、
・育児休業期間中の各1か月ごとに、休業開始前の1か月当たりの賃金の8割以上の賃金が支払われていないこと。
・就業している日数が各支給単位期間(1か月ごとの期間。)ごとに10日(10日を超える場合にあっては、就業している時間が80時間)以下であること。(休業終了日が含まれる支給単位期間は、就業している日数が10日(10日を超える場合にあっては、就業している時間が80時間)以下であるとともに、休業日が1日以上あること。)の要件を満たす場合に支給されます。

 ◎支給対象期間の延長について

保育所等における保育の実施が行われないなどの理由により、
子が1歳に達する日後の期間に育児休業を取得する場合は、
その子が1歳6か月に達する日前までの期間、育児休業給付金の支給対象となります。
さらに、子が1歳6か月に達する日後の期間に、保育所等における保育の実施が行われないなどの理由により、
育児休業を取得する場合は、その子が2歳に達する日前までの期間、育児休業給付金の支給対象となります。

 ◎支給額

育児休業給付金の支給額は、支給対象期間(1か月)当たり、
原則として休業開始時賃金日額×支給日数の67%(育児休業の開始から6か月経過後は50%)相当額となっています。

【POINT】
   ・育児休業給付はパパもママも受けられる制度です。
   ・ママの出産後8週間以内の期間内に、パパが育児休業を取得し、再度、パパが育児休業を取得した場合
    初回の育児休業も2度目の育児休業も要件を満たしていれば、どちらも給付が受けられます。
   ・パパママ育休プラスの期間も要件を満たしていれば、給付の対象となります。
   ・短期間の育児休業の場合(1か月に満たない育児休業でも(1日でも))、
    要件を満たしていれば育児休業給付の対象となります。

 

育児休業給付リーフレット(厚生労働省R3.08)

 

まとめ

冒頭でも述べましたように、育児介護休業法が改正され、令和4年から順次施行されます。
ニーズの高まりに応じて、今後も法改正が続くと予想されます。
近年、採用活動の場面でも、育児休業の取得実績や両立しやすい風土について、
求職者からよく問われるようになりました。
仕事と家庭、私生活の両立のしやすい就労環境を整備することは、
人材の確保や企業の社会的責任を果たす上で、今後もますます重要になるでしょう。
法改正を機に、職場の風土や利用しやすい制度・環境づくりを検討されてみてはいかがでしょうか。

また、育児休業等、家庭と仕事の両立を積極的に支援する事業主は助成金が受けられることもあります。
その他、育児休業制度の詳細、育児休業給付の申請手続き等については、当法人担当者にお気軽にご相談ください。


<関連リンク>

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育メンプロジェクトホームページへ

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